知識

腰椎についてあなたはどれだけ知っていますか

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はじめに

腰痛を治療しているあなた!!

腰痛を治療する際に、絶対に腰椎のことを理解してください。

 

基礎知識の理解度によって臨床で大きな差が生じ、腰痛疾患の評価・治療において必ず生きてきます。

 

 

また今回の記事を読んだら知識を他人にアウトプットしてみましょう。

 

インプット⇔アウトプットによってさらに自分の理解度は深まります。

 

腰椎の解剖

腰椎の基本構造

脊柱は、矢状面でゆるいS字を描いています。

これは脊柱が適度な湾曲を有することにより、垂直方向の圧縮力に対し脊柱がたわみ、負荷を分散するためとなっています。

その中で腰椎は軽度前湾しており湾曲の程度が大きき約45°になります。

(理学療法vol28 No.5 腰椎・腰部の機能解剖)

 

腰椎は5個の椎骨からなり、頸椎・胸椎より容量が大きく椎体の幅も広いです。

また合計重量は、7つある頸椎の約2倍とされています。

 

腰椎の構造

腰椎は上半身の重量を支持し、安定性が求められる一方で、運動時には大きな可動性が求められます。

さまざまな場面において腰椎はそのたびに適度な固定と可動を担う必要があります

 

腰椎のそれぞれの構成要素とその配列は、これらを効率よく行うためにあります。

今から腰椎およびに関連する構造の機能解剖学的な要点をまとめます。

椎体

椎体は、上位から下位に進むにつれておおきくなり、横径が前後径よりも長くなります。

身体重心が仙骨の前方にあることから、下位腰椎ではより大きな負荷を支持しなければならない為、椎体が広くなることは有利に働きます。

 

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身体重心とは

身体における重心のことで運動の際の前身の動きを代表する点。

また身体全体の重さの中心である。

直立姿勢における人体の中心は、骨盤内で仙骨のやや前方に位置する。

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椎体の前面と後面が平坦なことも、長軸方向からの荷重に有利に働きます。

筋や靭帯などの関節安定性を担う構造がなくても、連結された椎体は長軸方向の荷重を支えることができます。

 

しかし、椎体は長軸方向以外の安定性を保つことができません。

つまり、前後左右や回旋方向の動きを制限することができないため、腰椎自体の安定性を得るためにはほかの構造が必要になります。

 

椎間関節

以前に椎間関節による痛みの記事も書いているので、読んでいない方がいたら目を通してみてください。

体幹伸展による痛みは椎間関節が原因かも

 

椎間関節の説明をしていきます。

 

 

椎間関節は上関節突起と下関節突起で形成されています。

 

上関節突起の関節面は後内方を向き凹面になります。

下関節突起の関節面は前外方を向き凸面になります。

 

この解剖学的構造は、滑りと回旋を制動してくれる構造になっています。

 

仮に、連結した上位腰椎を下位腰椎に対し前方へ滑らそうとすると、下関節突起は上関節突起の内側に位置するため、上位腰椎の下関節突起が、下位の腰椎の上関節突起にぶつかり、前方への滑りを制動します。

 

 

また、上位腰椎を下位腰椎に対し回旋すると、回旋と反対側の上下の関節突起反対側の上下の関節突起(左回旋ならば右)がぶつかり、回旋が制動されます。

 

基本的に腰椎の屈曲伸展は椎間関節で行われます。

 

また多裂筋の深部繊維は椎間関節に付着するため、多裂筋と椎間関節は密接な関係にあります。

側臥位で腰椎の棘突起を離解方向に操作してあげると、腰椎のモビライゼーションにもなりますし、多裂筋のリラクゼーションにもなります。

 

また胸椎の関節面は前額面を向きます。

胸椎と腰椎ではそれぞれ関節面の向きが若干違うため、胸腰椎移行部では急激な関節面の変化がおこります。

胸部に大きなストレスや、外力が加わるとそのストレスは胸腰椎移行部に集中しやすくなります。

よく圧迫骨折などが胸腰椎移行部に多いことはそういったことからになります。

 

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補足になりますが腰椎での回旋ストレスは過剰な剪断力を与え、それが機械的ストレスになり、よく股関節が固い学生が、腰椎分離症といった症状を引き起こします。

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椎弓根

 

椎体の中部および上部から背側に突出している短く太い突起になります。

役割として、椎体と脊椎後方部(棘突起や横突起)を結合するブリッジの役割をしています。

脊椎後方部に加えられた筋力を、厚く強度が高い椎弓根が前方に伝達して椎体と椎間円板に力を分散させる役割があります。

 

腰椎の靭帯

前縦靭帯

 

後頭骨底部から仙骨にかけて、椎体と椎間板の前面を走行している靭帯になります。

特徴として、頭側で狭く、腰部では発達し広いです。

機能として、脊柱全体の安定性、伸展および前弯の制限です。

 

後縦靭帯

後頭骨底部から仙骨にかけて脊柱後面に付着しています。

頭側で広く、腰部では細くなる為、腰椎椎間板ヘルニアを抑制する機能は限られます。

機能としては脊柱全体の安定性、体感屈曲の制限です。

 

黄色靭帯

 

短く厚い靭帯で、上下の椎弓板を連結しています。

左右対称に存在し、脊柱菅を閉鎖しています。

時に黄色靭帯が肥厚を起こし、脊柱菅狭窄症を引き起こします。

特徴として、他の靭帯と比べると弾性を有することであり、中間位から最大屈曲すると約35%も伸びます。

機能としては、椎弓板の離開を防ぐことと屈曲を制限することです。

 

棘上靭帯

 

棘上靭帯は隣接する棘突起間に張っています。

棘上靭帯は頸椎で発達しており項靭帯となりますが、腰部ではあまり発達してはいません。

あるとしたらL4/L5の間に存在しているか、一部が胸腰筋膜などに置き換わっています。

 

腰椎のバイオメカニクス

腰椎の可動域は屈曲40°~50°、伸展15°~20°、回旋5°~7°、側屈20°の自由度3の関節である。

腰椎の屈曲・伸展

例として、L2-L3の腰椎で考えます。

 

屈曲ではL2の下関節面が、L3の上関節に対して前上方に滑ります。

その結果、体重により生じた圧迫力が椎間関節から椎間板と椎体に移ります。

 

伸展では、L2の下関節面がL3の上関節面に対して下向きや、やや後方に滑ります。

屈曲位から中間位あるいは、わずかな伸展位に変化すると、椎間関節内の接触面積が増加します。

 

[aside type="覚えておいたほうが良い腰椎骨盤リズム"]

少し話はそれますが、腰椎を理解するにあたって絶対に理解したほうが良い話になります。

 

腰部脊柱は股関節とともに、身体全体の屈曲・伸展の回転軸となります。

矢状面での運動の際、腰椎と股関節との運動学的関係を腰椎骨盤リズムといいます。

どちらか一方が固いと、もう一方の関節が代償を行います。

この時、代償部位に余分な応力が生じることになります。

以下に体感前屈にみられる3通りの骨盤リズムを載せますので、是非図をみて理解してください。

 

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腰椎の側屈

腰椎の側屈は基本的に胸椎の側屈のパターンととほぼ一緒です。

上位の下関節面が、側屈の対側では上向きに滑り、側屈の同側では下向きに滑ります。

 

この関節運動は、側屈側の体側にある靭帯によって制限されます。

 

腰椎の回旋

腰部の回旋可動域は5°~7°と非常に少ないです。

これは腰椎の椎間関節面が矢状面にほぼ垂直な為、回旋の動きがかなり制限される為です。

これは、股関節と胸椎に腰部の回旋以外の運動があるためであると考えられる。

 

終わりに

今回は腰椎の解剖学、運動学について書きました。

体表から確認できるわけではないので、イメージがしづらいと思います。

今回の記事を読んで、より一層腰椎の理解を深めて臨床に生かしていただければと思います。

 

今回も最後までご覧いただきありがとうございました。

 

 

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