知識

後足部の構造

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足部は唯一地面と接する部分であり、足関節・足部の柔軟性や筋力は転倒との関係も深い

足部全体で28個の骨で構成されており、その一つ一つが連動して動くことで柔軟な動きを可能としています

また最近ではインソールや足底盤を使用し、足部をコントロールすることで全身状態の改善が図れることがわかってきています

 

今回はそんな足関節・足部の基本的な構造について話していきたいと思います

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足関節の構造

足関節・足部は後足部・中足部・前足部の3つに分けて考えます

[box class="green_box" title="足部の分類"]

後足部・・・踵骨と距骨

中足部・・・立方骨・舟状骨・3楔状骨

前足部・・・中足部より遠位

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足関節は脛骨・腓骨・距骨・踵骨で構成される距腿関節(Ankle joint)・距骨下関節(Sab Talar joint)・遠位脛腓関節(Distal(遠位) Tibio(脛骨) Fibular(腓骨) joint)からなる複合関節です

足関節・足部の運動はこれらの関節の協調的な運動によって成り立っており、平面的な運動ではなく複合的な運動を成しています

また足関節・足部は唯一地面と接する部分であり、床からの反力を感じたり、体重を支えたり、歩行時の力の伝達など人体にはなくてはならない機能を有しています

そのため足関節・足部には柔軟かつ剛性の両面の働きをする必要があり、適時使い分ける能力が求められます

 

距腿関節の構造

 

 

距腿関節は脛骨・腓骨・距骨で構成される関節です

脛骨と腓骨の果間関節窩に距骨滑車がはまり込んでいる構造になっており、ほぞ穴構造となっているため骨性の安定度が高くなっています

距骨滑車の上面は後方よりも前方が広く(4〜5mm)なっており、背屈位では安定性が高まり底屈位では遊びがあるため、内外転の動きを可能にしています

 

また内果よりも外果の方が後方に位置していることから前額面上で約23°±9°後方へ傾き、さらに平面上に約14°±4°下方へ傾いています

そのため背屈時には回内・外転の動きが起こり(外返し)、底屈時には回外・内転の動きが起こります(内返し)

 

距腿関節の動きと距骨の関係

距骨は距腿関節の動きに伴って滑り運動が発生しています

背屈時には後方滑りが起こり、底屈位では前方滑りが発生します(わずかな回旋運動も起こっている)

さらに背屈時には外旋運動、底屈時には内旋運動が併せて起こっています

 

距骨下関節の構造

距骨と踵骨により構成される関節で3つの関節面(前・中・後距踵関節)を要します

後距踵関節は大きく距骨の下面は凹、踵骨の上面は逆に凸を呈しています

前・中距踵関節は凹凸の関係が逆になり、踵骨の2つの凹面と距骨の凸面で形成されています

これら3つの関節が距骨を骨性にも安定させています

また、内果の下方に出っ張った骨が触診できますが、それは載距突起と呼ばれ距骨を支えている部位(凹側)になります

  

距骨下関節は体重負荷が掛かってくるところでありつつ、運動連鎖の基軸になる部分であるので非常に重要な部位になります

距骨下関節に入った刺激は踵骨や足底部、各アーチを介して衝撃が吸収されます

また足底から入った刺激を上に伝達していく役割があります

 

距骨下関節は荷重下と非荷重下で影響を受けるところが変わってきます

荷重位では体重と床反力の影響をうけ踵骨は固定されていることから踵骨の位置に対し距骨が連動します

逆に非荷重位では距骨は下腿の延長として機能するため距骨の動きに対し踵骨が連動します

 

距骨下関節の運動軸は斜めを向いており、横断面にて42°、矢状面にて16°となっています

さらに6°の自由度があるため3方向の運動が生じ複合的な動きを呈します(主な動きは回内外)

また、足部の柔軟性と固定性に関与しており、距骨下関節が回内位にある時は距骨と踵骨の運動軸が平行な位置関係になり柔軟な足部を形成しています

逆に回外位にある時は交差した位置関係になり可動性のない強固な足部を形成しています

 

遠位脛腓関節の構造

腓骨と脛骨の間には骨間膜が存在しており、互いの距離を保ち各筋肉が適切な機能を保てるような仕組みになっています

骨間膜は脛骨から腓骨に向かって下方に走っており、遠位部では靱帯となり遠位脛腓関節を強固にしています

遠位脛腓関節は靱帯結合であり関節軟骨と関節腔をもたず滑膜関節には属していません

遠位脛腓関節には骨間靱帯、前脛腓靱帯、後脛腓靱帯、さらに後脛腓靱帯の深部からは横靱帯が走行(内果と外果を結ぶ)しており、前面には伸筋支帯が存在することで連結をより強固なものにしています

 

これらの靱帯による支持があるおかげで、足関節の背屈時に距骨が後方に滑り込んだ際にはまり込むことを可能にし足関節の安定性が担保される仕組みになっています

 

遠位脛腓関節は距腿関節の動きに連動する形で動いています

特に脛腓間の離開(脛骨と腓骨が離れる)と腓骨の上方への移動は研究にて明らかになっています

しかし、腓骨の回旋については一定の見解が出ていない状態で内旋派・外旋は・回旋しない剥が存在しているようです

 

下腿骨と後足部の連結

足関節にはたくさんの靱帯があったことを皆さんもなんとなくイメージできるかと思いますが、それを細かく覚えている方は少ないのではないでしょうか?

 

今回は有名なところをいくつか確認していきたいと思います

まずは外側の3靱帯からです

前距腓靱帯・後距腓靱帯・踵腓靱帯で全て腓骨(外果)から始まっています

前距腓靱帯は距骨の外側の出っ張り、後距腓靱帯は距骨後突起という出っ張り、踵腓靱帯は踵骨外側及び腓骨結節に付着しています

基本的には出っ張りがあるところなので場所さえわかれば触診も可能だと思います

触診をするとコリッとした感じがあるかと思います

続いて内側の靱帯です

内側の靱帯は三角靱帯とも呼ばれていますね

三角靱帯は脛舟部()・脛踵部()・脛距部()の3つに分けられます

脛距部はさらに前脛距靱帯()と後脛距靱帯()の2種類が存在しています

最後に

ここまで後足部の解剖学について話していきました

後足部は靭帯により強固に連結している部位ではありますが、変形が起こりやすい部位でもあります

合わない靴を履いていたりスレた靴を履いているだけでどんどん変形していきます
後足部の変形は中足部・前足部へと波及するため非常に重要な部位になります

 

こちらに中足部と前足部の記事もありますのでよければ合わせてお読みください

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最後までご覧いただきありがとうございました

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