知識

前足部の構造

ここまでの2記事で後足部・中足部の話をしてきました

(まだ読んでいない方は先に後足部の構造中足部の構造をお読みください)

 

前足部は後足部・中足部と違い可動性の大きな部位となります

後足部に入った刺激が中足部まで伝わり、その後に前足部まで伝わると最終的にバランス調整を行ってくれています

バランス調整を行っていることから、後足部にはいった刺激が軸からズレていると最終的に前足部にその影響が出てくることになります

その軸からズレた刺激が慢性的に入り続けると、変形という形で視覚化されるわけです

現代では美観を重視する傾向があり、ハイヒールを履く女性や先端の細くなっている靴を履く方が増えています

そのため、足趾の機能を十分に発揮出来ていない方が多く見受けられ、その影響は足趾のみならず、代償運動として骨盤や膝、脊柱にまで及んでいます

今回はそんなバランス調整機能を有した前足部の構造について話していきたいと思います

 

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

前足部の構造

前足部はリスフラン関節より遠位のところであり、中足骨、基節骨、中節骨、末節骨よりなり第1趾のみ中節骨がなく基節骨と末節骨からなります

中足骨・基節骨・末節骨はそれぞれ5本ずつあり、中節骨のみ4本、さらに第1中足骨の遠位部には2つの種子骨が存在し、全部で21個の骨で構成されています

足趾は遠位部から末節骨・中節骨・基節骨の順番に並んでいます

 

[box class="green_box" title="前足部の関節"]

中足骨と基節骨の間の関節・・・中足趾節関節(MP関節)

基節骨と中節骨の間の関節・・・近位趾節間関節(PIP関節)

中節骨と末節骨の間の関節・・・遠位趾節間関節(DIP関節)

基節骨と末節骨の間の関節・・・趾節間関節(IP関節)(第1趾のみ)

[/box]

 

また足趾の形は人により違いがあり、大きく分けて3パターン存在します

日本人の70〜80%はエジプト型と言われています

第1趾が一番長いことが特徴で、ヒールを履くと外反母趾になりやすいタイプです

 

次に多いのがギリシャ型で20〜25%です

第1趾よりも第2趾の方が長いのが特徴で、つま先が詰まる靴を履いているとハンマートゥになりやすいタイプです

 

一番少ないのがスクエア型で約5%程度です

趾の長さが揃っているのが特徴で、魚の目やタコができやすいタイプです

 

自分の足の形に合う靴を履くことも変形を防ぐ上で必要なことです

それぞれのタイプに合わせて正しい靴を選ぶようにしましょう

 

前足部の可動性と機能

中足趾節関節(MP関節)

中足趾節関節(MP関節)・・・運動軸が水平軸と垂直軸であり、主な動きは底背屈、わずかに内転・外転の動きもあります

また中足部の動きに対しバランスを取る作用があるので、わずかに回旋運動も行っています

足部の外反位(扁平足)では第1列の動きは減少し、内反位(ハイアーチ)では増加するといわれています

MP関節は伸展することで足底腱膜の緊張を高め、各アーチを巻き上げることで前方への推進力を得ています

このことをウインドラス機構といいます

これがうまく働くとロッカーファンクションのフォアフットロッカーが働いて重心を足趾にまで移動させることができます

フォアフットロッカーが働きにくい方は背屈の可動域制限が起こっている可能性があります

その際には基節骨が落ち込んでいる可能性がありますので、少し持ち上げる骨誘導を実施すると改善されることがあります

特に第1列、第5列のアプローチはアーチ形成が促せるので非常に有効です

 

趾節間関節(IP関節、PIP関節、DIP関節)

趾節間関節(IP関節、PIP関節、DIP関節)・・・蝶番関節であり主な動きは底背屈

趾節間関節で大切なことは地面をつかめているかどうかです

評価のポイントは2点支持か3点支持かになります

立位で踵・拇趾球、小趾球・足趾の趾腹の3点が地面についているか見てみましょう

もし足趾の趾腹が浮いているのであれば、横アーチが破綻していることになります

常に足底腱膜は張っている状態になるので、柔軟な動きは制限されてしまいます

 

2点支持の場合でもMP関節の伸展が起こっているわけですが、フォアフットロッカーの際の伸展と2点支持の伸展には大きな違いがあります

それはフォアフットロッカーの際は基節骨は固定され、中足骨が動いています(つまり遠心性の動き)

2点支持の場合は中足骨が固定され、基節骨が動いています(つまり求心性の動き)

動作の中で必要な動きは遠心性の動きです

歩行、起立、前方重心などはすべて遠心性の動きですよね

 

これにPIP、DIPの屈曲が加わることで床半力を捉えることができ、バランスをとることができるんですね

ここでもしPIP、DIPに伸展モーメントが発生したら・・・重心は後方へ行ってしまいますよね

後方重心の方は趾が浮いていることが多いので評価してみてください

これが起こると伸展モーメントを屈曲モーメントで打ち消そうとするので膝は屈曲し骨盤は後傾してきますよ

このような方にはしっかりと足趾の屈曲運動を学習してもらいましょう

外反母趾

足趾の変形で多いのは外反母趾ですね

外反母趾は女性に多く(若い場合男性の3倍、高齢者でも2倍)、扁平足や回内足の方に発生しやすいといわれています

また、肥満との関係もあり、BMI30以上の女性の発生率が高いというデータもあります

一般的に無症候であれば治療対象にはなりません

除痛目的で保存療法を開始する方もいらっしゃいますが、装具を装着したり、アライメント矯正を行っても根本的な変形を治すことはできないとする見解が多くあります

 

209名を対象にしたTorkkiの研究によると、装具療法にしろ手術にしろ治療開始6か月の時点では除痛効果が見られています(手術の方が効果は大きい)

しかし、1年ほど経過するとほとんど差はなくなるそうです(除痛は図れていますが、保存も手術も痛みの強さに差がないということです)

治療の選択肢としては拇趾にメカニカルストレスがかからないようにすればいいので、直接拇趾にアプローチをする必要性は低いかもしれません(柔軟性の低下や筋出力の低下へのアプローチは必要です)

後足部の影響は前足部に波及するので、後足部にアプローチするのもいいかもしれません

後足部は仙腸関節の影響を受けるので、仙腸関節へのアプローチでもいいですね

筋膜のつながりを活かしてバックラインやラテラルライン、ディープフロントラインへのアプローチもいいかもしれませんね

インソールが作れる方はパットで調整することも有効ですね

 

これらは私が行うアプローチですが、やり方はなんでもいいと思うので、ストレスがかからないようにコントロールすることが大切です

セラピストによるアプローチも大切ですが、ご本人様に正しい靴を選んでいただくことやセルフエクササイズを実施していただくことの方が何倍も大切だと思います

"先生が言うことならやります"という人間関係を築くことの方が大切だと私自身は考えています

信用している先生に触ってもらうだけで治ってしまうことも当たり前に起こるんですよ

知らない間に消える痛みってホメオスタシスの効果だけじゃないんですよ

その辺の話は直接会った際に聞いてください

 

 

今日も最後までご覧いただきありがとうございました

 

 

良ければこちらも合わせてお読みください

後足部の構造

後足部の構造足部は唯一地面と接する部分であり、足関節・足部の柔軟性や筋力は転倒との関係も深い 足部全体で28個の骨で構成されており、その一つ一...

中足部の構造

中足部の構造前回の記事では後足部の構造について話していきました まだ読んでいないという方は先に読んでくださいね 中足部は後足部と...
RELATED POST