はじめに
皆さんは日々どんな評価や治療をおこなっていますか??
僕が今回この記事を書こうとしたきっかけは、先日臨床に出て半年の後輩と話をしたのがきっかけでした。
その時に彼は、『評価と治療の結び付け方がわからない』ということを相談してくれました。
この悩みは誰しも必ず一度は経験したことがあるんではないでしょうか??
もちろん自分も臨床1年目の時は同じことを思っていました(^_^;)
なぜそうなるのか??
それは
『評価ができていないから!!』
これに尽きると思います。
ちょっと思い出してみてください。
学校を卒業して臨床にでると、いきなり患者を任されますよね。
その時に何とかして患者を治そうと思うので、手技だったり、ストレッチの方法だったり『やり方』のことだけ勉強していませんでしたか??
しかし、それって治療するポイントがずれていたらまったく意味がないですよね??
また患者も不安になったり、納得がいかなかったりして信頼がなくなってしまいます。
今はボバース、PNF、AKA、SJF等のたくさんの手技が存在しています。
もちろんそういった技術を学ぶのも非常に大事だと思います。
自分の治療の引き出しが増えますもんね!
しかしそれ以上に『評価はめちゃくちゃ大事!!』ということを覚えてください。
特に臨床に慣れてきたり、いろんな勉強会にいくようになって手技を覚えたりしてる方にこそこの記事を読んでいただきたいです。
また今回は『評価のやり方』ではなく『評価の考え方』を中心に書いていきます。
ぜひこの記事をきっかけにもう一度自分の臨床のことを考えてみてください。
絶対に押さえておきたい評価時に大事な3つのこと
問診
問診はみなさん必ずやりますよね??当たり前です(笑)
皆さんは何を問診で聞いていますか??
主訴と悩みだけ聞いて終わっていませんか??
問診では患者像をはっきりと明確にしてください。
そして、頭の中で患者が実際の生活を送っているイメージまで作れるようにしてください。
それが『患者像を明確にすること』になります。
具体的には以下のようなことを聞いておきたいですね。
[box class="blue_box" title="問診で聞いておくこと"]
[/box]
文字に起こすと、たくさんあると思いますが実際これだけ聞くのに時間はそこまでかからないです。 ただ一度に聞きすぎてしまうと患者もわからなくなってしまったり、まどろっこしいと思ったりします。 皆さんコミュニケーションに関してもプロフェッショナルだと思いますので、適度に間を開けたり、理学療法評価中にさりげなく聞いたりしてください。 補足ですが、問診を行う際のテクニックになります。 オープンクエッション・クローズドクエッションをうまく使いましょう。 [aside type="normal"]
オープンクエッション:「はい、いいえ」などの回答範囲を設けずに相手が自由に返答できる質問のこと。具体的には「5W1H」の6つの疑問符を使った質問 クローズドクエッション:「はい、いいえ」で答えられるような、答える方法や回答範囲が限られている質問の仕方のこと。[/aside]
また問診を行う最大の理由として『相手を知る』ということが非常に大事になります。 新患の方だと当たり前ですが初めて会う方になります。 中間評価を行う方も現在と過去では同じ状態のわけがありませんよね?? つまり『患者像を明確にする』ということは『相手を知る』と同義語になります。 相手のことを何もわかってなかったら治療どころじゃないですよね(^_^;) 相手を知って初めてお互いの信頼関係ができてくるので問診をおろそかにしないように頑張りましょう! 意外とここをおろそかにしている方多いのではないでしょうか?? 問診でいくら患者像を明確にしてても、ゴールをしっかり設定していないと自身の治療計画もぶれたり、患者もいつまで続ければいいんだろうといった不安にかられます。 例えば 波打ち際の砂浜をまっすぐ歩いてください。という指示を受けたとします。 この時に足元だけ見てまっすぐ歩こうとしても、波が不規則に打ち寄せるため、後ろを振り向き自分の軌跡を振り返るとぐにゃぐにゃに進んだ足跡になります。 しかし、何か目標を見つけて歩いてもらうとまっすぐに進むことができます。 治療に置き換えても同じことがいえると思いますので、しっかりとゴールを設定してあげてください。 そして、長期目標と短期目標をそれぞれ設定し治療者から目標を示してあげてください。 目標を達成できたということを味わってもらうと、患者自身のモチベーションも上がるため治療中の雰囲気もよくなり、治療効果も上がります。 特に患者自身が認識しやすいのは関節の可動域です。 患者本人がで一番実感できますし、なにより『角度』という量的な目に見える結果を示すことができます。 なので、ただ可動域を測るだけで終わらず、それを根拠に目標を設定してあげてください。 慢性期で機能的にもプラトーという方にもおいても一緒です。 必ず目標を設定してあげましょう! 目標を達成するということは何事においても嬉しいですよね?? その嬉しいという感情をたくさん味あわせましょう! 評価結果を自分だけのものとしないようにしましょう。 医療機関で検査されて何もいわれないとものすごく不安になりませんか??(笑) その感情を患者にあたえないようにしましょう。 また、初期評価時にある程度問題点を絞り込めて、治療を行いますよね?? 治療後に介入前と介入後の結果をアウトプットしてあげましょう。 即時効果が出た場合が一番理想的ですよね! この人に任せておけば大丈夫!といった安心感と信頼が生まれます。 しかし即時効果が出ない場合ももちろんあります。 その場合でも焦る必要はありません。 変形性膝関節症の方で、主訴が膝内側部痛の例で考えます。 「今回は現段階で一番可能性の高い膝蓋骨に対してアプローチを行いましたが、あまり痛みは変わらなかったみたいです。申し訳ありませんでした。 今回の評価では、膝蓋骨と股関節の2つの問題点を考えていました。 しかし現在の治療で、2つの可能性の中の1つが効果がなかったということがわかりました。 なので次回は本当の問題点である股関節にアプローチを行わせていただきます。 今日は少し不安になったと思いますが、次回は安心してください。」 ということがいえるのではないでしょうか?? そうしたら、ただ不安にさせるだけではなく 患者自身に 「もう一回ぐらいなら任せてもいいかな??」 と考えさせることができますよね?? もちろん即時効果を出せたほうがいいので、効率よく的確な評価を行うことを心がけてください。 ここができるかできないかは大きな差だと思います。 これに関してはいっぱい勉強をしましょう。 いくらやっても損にはならないはずですから!! 治療手技はたくさんあるということは最初にお話しさせていただきました。 それだけやり方はたくさんあるということです。 評価さえしっかりできていて、治療部位が明確になればどんなやり方でもよくなるはずですから! しかし、今回は評価のやり方ではなく、各疾患に対する評価の基礎的なところを書かせていただきました。 当たり前のことを当たり前にやる。これが一番難しいと思います。 ぜひ今回の記事をきっかけに、今一度評価に対する考え方を考えていただけたらと思います。 今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
ゴール設定
患者へのアウトプット
終わりに