こんにちは
代表の平尾です
日々の臨床の中で慢性痛に悩むことはありませんか?
慢性痛を防ぐかぎは体液の循環にあります
体液の循環が滞ることで痛みが発生してくるわけですが、どのようにしたら体液の循環が悪くなるのか?体液を循環させることができるようになるのか?
あまり考えたことがないのではないでしょうか?
今回は
まず基礎に戻り、そもそもの体液とは何か?
体液の循環不全を起こす原因
体液の循環不全を改善する方法
をお伝えできたらと思います
体液とは
まず体液には3種類あるのをご存知でしょうか?
①血液・・・人体のおよそ13%〜14%
②リンパ液・・・人体のおよそ80%〜85%
③脳脊髄液・・・およそ150ml(常に生成・吸収されている)
体液のほとんどはリンパ液です
リンパ液を循環させることが痛みの消失には重要であることわかりますね
しかし、リンパ液を流す方法は学んだことがない人が多いのではないでしょうか?
わからない人は日本慢性痛改善協会のセミナーに参加してみてくださいね
①と②はすらっと出る方が多いかと思いますが、③が出る方は少ないかもしれませんね
③についてはまだ明確にわかっていない部分も多いかと思いますが、最近では神経への栄養など脳の保護以外の役割もわかってきているようですね
画像は生理学テキストより
①血液
1拍で70ml程度の血液が全身に運ばれます
1分間で60拍とすると1分間に4.2ℓ程度の血液が循環している計算になりますね
主な役割は酸素と二酸化炭素の運搬と栄養素の運搬です
②リンパ液
主に老廃物が流れています
血液と違い圧迫するとドロッとした感じで粘性が非常に強く、1分間に1cm程度しか動かないと言われています(感覚としては浮腫を圧迫した感じに似ています)
③脳脊髄液
一般的には脳の保護と言われていますが、血液などと同様に栄養素の運搬や老廃物の運搬などの作用もあるのではないかと言われています
詳しいことに関しては明らかになっていない体液です
脳の周りだけでなく脊髄の周りも保護しており、頭部から仙骨まで存在している
他の体液は筋ポンプ作用で循環しているのに比べ、脳脊髄液は一次呼吸によって循環しています
この循環を促す手技を頭蓋仙骨療法もしくはクラニオ・セイクラル療法と言います
体液の循環不全を起こす原因
体液の循環不全は慢性痛を引き起こす原因です
つまり、何らかの影響で
酸素がミトコンドリアに行き渡らず、エネルギー効率の悪い運動になってしまっていること
もしくは発生した老廃物の除去ができず、溜まってしまっていることが考えられます
では
それぞれの原因を見ていきましょう
と言いたいところですが、原因はどちらも同じなので合わせてお伝えしていきます
①血管自体が細くなっている
交感神経が優位、冷え性、ストレス、血管内の水分量が少ない、疾患によるもの
②血管の内腔が細くなっている
アテローム化、疾患によるもの
③酸素を運ぶヘモグロビンが少ない
貧血などの疾患
④ヘモグロビンに酸素はついていない
栄養素の問題、生活習慣
⑤血管に問題はないが、外的に要因により血管が細くなっている
⑤-Ⅰ筋肉による圧迫
持続的な筋活動
⑤-Ⅱ関節のねじれ
私生活のクセ、同じ姿勢をとり続けること
これらを見てもらってもわかるように
運動療法で解決ができる部分と
解決できない部分があることがわかるかと思います
痛みを取るには総合的なアプローチは必須と言えます
特に運動習慣と食事習慣、私生活での同一動作の繰り返しは
痛みに直結するので詳しく話を聞く必要があります
体液の循環不全を解消する方法
先ほどのデータを見てもらった通り、体液の循環不全において運動療法で改善できる部分は限られています
仮に対処できたとしても他の部分のケアが出来ていない場合、再発する可能性は高いと考えられます
やはり「生活スタイルを変える」必要があります
生活スタイルを変える上で必要なものとして
まずは飲むものです
考えるのは「量」です
そもそも必要量が飲めているのかの問題があります
量が飲めている方に対しては次に「何を飲むのか?」という話に移ります
次は食べるものです
ヒトの体は食べたもので出来ているというのは想像がしやすいかと思います
甘いもののとりすぎや脂分のとりすぎは他の生活習慣病を招き血管を細くすることで
痛みが発生しやすい身体を作ることになりますので、食事療法の重要度はかなり高いものと思われます
また、オメガ6やオメガ9は痛みを強く感じる物質を出しますので、お菓子などを食べていると痛みを感じやすくなりますのでしっかりと教育をする必要があります
そして私達に出来る事、運動療法と徒手療法です
ミトコンドリアの活性化は必須課題ですので、有酸素運動を行いながらミトコンドリアを活性化させる必要があります
また、徒手療法にて歪んだ関節を直し、過剰収縮している筋肉や筋膜へアプローチする事で必要のない筋活動を起こさないようにし痛みの発生を最小限に抑えることが可能となります
詳しい話は今回は割愛します
ここがセラピストとしての腕の見せ所ですよね
まとめ
慢性痛を治すには体液を循環させる必要がありますが、運動療法だけでは根本の解決には至りません
食事療法や本人の意識を変えていく教育をしていくことで達成可能な課題であると言えます
しかし、運動療法と徒手療法にとって対処可能なことがあるので、やはり必要なアプローチを実施するべきであるといえます
患者様の悩みを解決するためには総合的なアプローチは必須と言って間違いありません
最後までご覧いただきありがとうございました