知識

肩関節に関する知識を試します!自信のある方のみご覧ください

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問題

Q.腱板疎部とはどこのことを指しますか??

 

1.棘上筋腱の前部繊維と肩甲下筋腱の上部繊維の間隙

 

2.棘上筋下部繊維と棘下筋上部繊維の間隙

 

3.棘下筋下部繊維と小円筋の間隙

 

※間違ったリンクに飛ぶとPC、スマホがウイルスに感染するサイトに飛びますので国家試験ぐらい慎重に選んでください。

 

 

 

 

嘘です。すいません...

腱板疎部についてのまとめ

腱板疎部とは

冒頭では失礼しました(^_^;)

改めましてブログ担当の平口です!

 

正解した方も、間違えた方もここから少し腱板疎部について復習しましょう!

 

以前にも肩関節についての記事を書きましたので、まだご覧になっていない方は今回の内容と関連がありますので是非ご覧ください。

 

読んだその日から肩関節評価時間が10分短縮できるポジション別での回旋可動域評価肩関節の可動域測定を行うだけで満足していませんか?? 学校習った肩の可動域評価といえば 屈曲 伸展 外転...

 

 

腱板疎部とは棘上筋腱の前部繊維肩甲下筋腱の上部繊維の間隙をいいます。

表層を烏口上腕靭帯肩甲下滑液胞、深層を関節包によって構成されています。

(肩関節拘縮の評価と運動療法から引用)

 

特徴

主に1stポジションでの回旋で変化します。

内旋では腱板疎部は弛緩して上下方向へ拡大しますが、外旋では腱板疎部は緊張して閉鎖します。

 

(肩関節拘縮の評価と運動療法から引用)

 

また烏口上腕靭帯や腱板疎部周辺部は滑膜が豊富に存在します。

 

その為、炎症が生じやすく波及しやすいことや、瘢痕化に伴い物理的特性が変化しやすいこと、疼痛閾値が低いことが報告されています。

 

以前書いた多裂筋と椎間関節も同じように機能不全を起こしやすく、疼痛閾値が低いことが知られています。

 

多裂筋の記事はこちら

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椎間関節についての記事はこちら

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また、腱板疎部が緩み機能的な緊張が得られなくなると、肩関節の下方不安定性を生じ、若年者のスポーツ障害肩の病態の一つとして言われています。

 

一方で、もともと腱板疎部(烏口上腕靭帯)のような柔軟な軟部組織が本来の柔軟性を失ったり瘢痕化すると、1stポジションでの回旋が著しく制限されます。

 

烏口上腕靭帯について

走行

烏口突起部外側から始まり、大結節と小結節に付着するとされています。

 

組織構造

肩関節の関節腔外壁を構成する組織といわれています。

烏口上腕靭帯と関節腔の間の境界線は認められず、同一の疎性結合組織から構成されることから、烏口上腕靭帯は関節腔外壁だけではなく、関節腔内壁を構成している疎性結合組織の一部であるといわれています。

このように、烏口上腕靭帯は腱板筋の浅層、深層に広く存在しています。

機能

肩関節の内転・伸展・水平伸展、1stポジションでの外旋で緊張し、逆方向の内旋では弛緩します。

骨頭の下方不安定性を抑制する働きや、関節腔内壁において上腕二頭筋長頭腱を巻き込み、結節間溝までガイドする働きもあります。

また、小胸筋の停止部として機能する場合もあります。

 

このように多くの働きを持つ反面、障害を受けやすく肩関節機能障害の原因部位となりやすい組織になります。

 

腱板疎部と夜間痛との関係

なぜ腱板疎部が夜間痛の原因の1つになるのか??

 

この理由として、腱板疎部の構造的要因が原因で過剰なストレスがかかり、夜間痛の原因となると考えられています。

 

また、肩甲下滑液胞と肩甲上腕関節をつなぐトンネルのようなweitbrecht孔というものが存在しています。

このweitbrecht孔あることで、肩甲下滑液包と関節包間で関節液が行き来できています。

 

[aside type="normal"]岩堀1)は関節造影では関節包容量は通常約30mlであるが、拘縮肩の場合10ml以下に低下し、下方関節包、肩甲下関節包、上腕二頭筋腱鞘への排出不良を認めたと報告しています。[/aside]

 

つまり拘縮肩の場合、weitbrecht孔が塞がれてしまい、関節包容量の低下とともに、肩甲上腕関節腔と肩甲下滑液胞との交通が断たれ内圧調整がうまく行えていないことが考えられます。

 

また腱板疎部の『疎』という感じは、『間がすいている。あらい。まばら』

という意味の通り腱板疎部は構造的にとても脆い軟部組織です。

 

その為、関節腔内の圧上昇に伴い物理的刺激を受けやすくなっています。

 

(運動器疾患の「なぜ?」がわかる臨床解剖学から引用)

 

また、最初でも説明したとおり滑膜が豊富に存在するため、疼痛閾値が低いです。

 

その為、就寝時のポジショニングによって腱板疎部が伸長され夜間痛が出現すると考えられます。

 

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就寝時に上図のように拘縮肩では可動域が狭いため、肩甲骨が固定されると肩関節は伸長され、さらに上肢のポジショニングによっては外旋され、腱板疎部は伸長されます。

これを防ぐ為、上肢を支えるようにクッションを肘と腹部に置くようすると、就寝時の夜間痛は軽減する経験をよくします。

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終わりに

腱板疎部はかなり治療に技術が必要な組織になります。
無理やりストレッチして疼痛を出しすぎても、逆効果になってしまう為、なるべく愛護的に伸長と弛緩を入れながら行うのが治療のコツになります。
また治療前に筋肉の原因をなくしておくことが重要です。
筋攣縮と筋短縮の違い、治療方法を以前に書いたのでこちらも併せてご覧ください。
この記事を読み臨床に生かせていただけたらと思います。
本日も最後までご覧いただきありがとうございました。

 

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