治療とは
今回は基本に戻り治療とは何か!?そして理学療法士としてできることについて話していきたいと思います
治療とは・・・病気やけがを治すこと。病気を治癒させたり、症状を軽快にさせるための行為のことである。しかし、日本の法律上は「医師が患者の症状に対して行う行為」のみを指して治療といい、医師以外の施術者が患者の症状を快癒させても「治療した」とは認められないので注意が必要である。つまり「医師による行為」が治療であり、「患者を治したから治療という訳ではない」という日本特有の事情がある(手当てをするという本来の一般用語としての「治療」の語の使用が実質制限されている)。
wikipediaより
上記の通り、広義の意味で言えば治癒させたり軽快させたりする行為のことを指し、狭義の意味では医師による行為が治療とされています
医師が行うものと書かれていますから日本では私たち理学療法士が何をやろうと治療としては認められないということです
実際にちまたにある接骨院や整体、サロンでは治療という言葉は使っておらず、施術という言葉を使っていることが多くありますね
またwikipediaには次のようなことも記載されています
ヒポクラテスは、「医師が病を治すのではなく、身体が病を治す」と表現した。つまり、人の体にはもともと「治ろうとする機能」があり、医師の役割というのは、その機能を補助することにすぎず、治療や医療行為というのは治る機能を補助するものでなければならない、としているのである
医師の役割は・・・治ろうとする機能の補助、治る機能を補助するものでなければならない[box class="blue_box" title="ここにタイトル"][/box]
としています 現在の西洋医学の考え方とは少し違う側面がありますね 話を進める前に ヒポクラテスとはどんな人物であったのかを説明していきましょう おそらくみなさんもヒポクラテスという名前だけは聞いたことがあるのではないでしょうか? 私たちも学生時代に習いました!確か1年生の時だったかな・・・??
ヒポクラテス(紀元前460年ごろ - 紀元前370年ごろ)古代ギリシアの医者。 ヒポクラテスは紀元前5世紀にエーゲ海のコス島に生まれたギリシャの医師で、それまでの呪術的医療と異なり、健康・病気を自然の現象と考え、科学に基づく医学の基礎を作ったことで「医学の祖」と称されている。彼の弟子たちによって編纂された「ヒポクラテス全集」には当時の最高峰であるギリシャ医学の姿が書き残されている。その中で、医師の職業倫理について書かれた宣誓文が「ヒポクラテスの誓い」であり、世界中の西洋医学教育において現代に至るまで語り継がれている。 ・・・ ヒポクラテスの誓いを現代的な言葉で表したのがWMA(世界医師会)のジュネーブ宣言(1948年)である。 日本医師会ホームページより これだけ見てもあまりピンとこないかもしれませんが 当時の世界最高峰の医師であることは間違いないようです そして医学の祖、医学の父、医学の源流と呼ばれており、現在医学の基礎を作り上げた人物であります そんなヒポクラテスが「医師が病を治すのではなく、身体が病を治す」と表現しています では身体が病を治すとはどうゆうことなのか見ていきましょう 人間には身体の内部を一定に保つ機能(これをホメオスタシスという)と 何もしなくても怪我や病気を治す能力(これを自然治癒力という)が備わっていると言われています ホメオスタシスを簡単に説明すると、身体の中に熱がこもりすぎている場合には汗をかかせて熱の身体の外に出させています! さらに汗が出すぎてしまうと脱水や熱中症になってしまうので、「喉が渇いた」という指令を出して水分補給を行わせています! また、エネルギーを使いすぎて疲れてしまった時には甘いものが欲しくなりますよね? あれも糖分を補給させるために出されているものになります! これらのように身体の内部で巧みに指令が出ることで身体の内部が一定に保たれるようになっています これらの指令も脳が発信しているわけではなくそれぞれの臓器や細胞が指令を出しています エネルギーとりすぎだよ!(お腹いっぱいだよ)の指令は脂肪細胞がレプチンというホルモンを出すことで指令を出しています! お腹いっぱいでも食べてしまう人はこのレプチンの受容体に問題が出ている可能性がありますね 次に自然治癒力の話をしていきます 例えば・・・すり傷をして血が出てしまった時、何もしなくても血は止まり、切れていた皮膚は知らぬ間に元通りになりますよね (もちろん消毒はしますが、あれは感染防止のためで治す為ではないですね) 骨が折れても自然にくっつきますよね!? (ギブス固定は正しい位置でくっつける為です) 打撲の痛みも数日したら自然と良くなりますよね!? このように人間には自分の身体を自分の力で治す能力が備わっているんです では理学療法士として患者様・利用者様に携わる中で何ができるのか? ここまでの話を整理すると ①治療とは医師が行う行為であり、理学療法士は治療はできない(日本での解釈ですので注意) ②治療や医療行為というのは治る機能を補助するものでなければならない ③人間にはホメオスタシスと自然治癒力が備わっており、自分の身体を自分の力で治すことができる(もちろん全て治せるわけではない) 理学療法士の方は真面目な方が多いので、治してあげたいという想いからいろいろ勉強をされいる方が多くいらっしゃいますね しかし、治すのは私たち理学療法士ではなく患者様・利用者様自身なんですね これ初めて感じた時には結構ショックを受けました・・・ これまではなんだったのか・・・? 自分は役立たずか・・・ 何もできないのか・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ 理学療法士でもできることはもちろんあります!! では実際に何ができるのでしょうか? 1.運動習慣の獲得 2.身体に良い栄養載摂取 3.質の良い睡眠 4.自律神経のバランス ・・・ 察しの通り、結局上記のことをわかってもやることは大きく変わりません ただ、大きく違うことがあります!!! それは、「いかに患者様・利用者様にやってもらうか」を前提に考えているかということです つまりゴールを置く位置をどこにするのか!!ということです ADLが獲得されたらゴールなのか? 職場復帰したらゴールなのか? 入院中出来ていても退院したらやらない方多いですよね・・・ 機能訓練中(介護保険下での表現)は頑張ってくれても家にいるときは何もしない方多いですよね・・・ 私自身は「身体が病を治す」状態を作り上げることをゴールとしています 私の独りよがりと言われればそれまでですし、患者様がそこまで望んでいないと言われたらそこまでです ですが、大切なのは「身体が病を治す」ということをわかった上で 患者様がどちらの選択肢を選ぶか!?ということだと思っています 私たちがやるべきことは選択肢を与えて、その選択を手助けすることではないでしょうか? 徒手的に自然治癒力を高めていきたい方は内臓アプローチやクラニオセイクラル療法をお勧めします 日本慢性痛改善協会主催 内臓アプローチコース クラニオセイクラル療法コース このブログを読んで何かためになることが一つでもあったなら嬉しく思います 今日も最後までブログをご覧になっていただきありがとうございましたヒポクラテスとは
ジュネーブ宣言
医師として、生涯かけて、人類への奉仕の為にささげる、師に対して尊敬と感謝の気持ちを持ち続ける、良心と尊厳をもって医療に従事する、患者の健康を最優先のこととする、患者の秘密を厳守する、同僚の医師を兄弟とみなす、そして力の及ぶ限り、医師という職業の名誉と高潔な伝統を守り続けることを誓う
近年、医学の発展とともに医療は高度に専門化、複雑化され、同時に患者主体の医療が提唱されるようになり、患者は自分の診断・治療・予後について完全で新しい情報を得る権利が生じた。患者側にも医療を受けるリスクが求められるが、医療側は患者に納得してもらうためには十分な情報提供が必要である。即ち、患者の人権、自己決定権の尊重、インフォームド・コンセントであり、時代の変遷とともに新しい倫理も生まれてきた。ヒトを対象にした医学研究の倫理的原則を示したヘルシンキ宣言(1964年)や、患者の権利に関するリスボン宣言(1981年)などである。ホメオスタシスと自然治癒力
理学療法士がやれる患者様の自然治癒力をあげる方法