知識

胸椎のバイオメカニクス

本日は胸椎のバイオメカニクスについて書いていこうと思います

胸椎のバイオメカニクスは、日本国内でもそうですが、世界的にもはっきりとした部分が出てきておりません

 

ですので私の解る範囲のみではありますが、皆様のためになる記事が書けたらと思います

 

胸椎の構造と可動性

各脊椎ごとに大事な役割があるかと思いますが、今回は胸椎部の話ですので他の脊椎の話は割愛させていただきます

胸椎には触診においてわかりやすいランドマークが存在し、肩甲棘レベルがTh3レベル、肩甲骨下角レベルがTh7レベルが目安となっています

また、胸椎棘突起は細く長いのが特徴で、頚椎や腰椎とは触った際に少し感覚が違います

その中でもTh5の棘突起はノペ〜(これで伝わるかな〜!?)としており、私の場合ランドマークを正しく取れているかの確認の際に用いています

また、Th4-5間が胸骨角のレベルになります

また、腰椎の棘突起は胸椎とは逆に、太くて短いのが特徴なので、Th12とL1を触り分けることが出来ます

 

胸椎部は肋骨と連結しており、肺や心臓・脾臓などの内臓を保護しています

呼吸運動と共に内臓の保護という大事な役割を肋骨とともに行っているので、可動域が狭いのが特長ですが、モビリティの部位であるため、その動きは非常に重要です

モビリティの部位であり、力の伝達を行いその方向性を決めているとも言われています

胸椎部の話ではありませんが、人間は胸骨の向きをまっすぐに向けるようにできているらしく、胸骨の向きをまっすぐに向けるために様々な部位が代償運動を起こしていると言われています

話が少しズレますが、胸郭の硬い方に腰痛の方が比較的多くいます

これは胸椎のモビリティと腰椎のスタビリティが逆になってしまっているために起こっていますね

よければツイッターの方も見てください♩

 

さて、

上記の画像を見ていただくとわかるかと思いますが、胸椎部の動きのメインは回旋です

屈伸時は下部胸椎が大きく動いています

側屈に関してはあまり特長のある動きをしていないですね

胸椎のメインは回旋でしたが、脊柱の中で考えると頚椎が回旋のメインですので、胸椎は可動性よりも内臓の保護・呼吸運動がメインの役割になります

また上半身の質量中心が第7〜9胸椎高位もしくは剣状突起のレベルにありますので、上半身の運動の軸になっている部分になります

[aside type="normal"]ちなみに側屈時の中心は第8胸椎です[/aside]

 

胸椎は肋骨との関節面を持つことが特徴で、肋椎関節(肋骨頭関節と肋横突関節)という関節が存在します

[aside type="normal"]肋椎関節=肋骨頭関節+肋横突関節[/aside]

 

肋横突関節は棘突起の2横指外側あたりに存在します

凹面である横突起の横突肋骨窩と凸面である肋骨結節とがつくる関節で変形した卵形に分類されます

 

第11・12胸椎には肋横突窩が存在しないため、肋横突関節が存在しません

それぞれ独立した関節包を持ち、前方の方が厚いです

 

肋横突関節は一般的には平面関節とされており自由度は1度とされていますが、実際には上方もしくは下方への滑り、回旋動作も担っているので自由度2度と考えられます

 

肋骨頭関節は肋骨頭と上下椎の肋骨窩との間に出来る関節です

   

第2〜10の肋骨頭関節は通常上下椎にまたがり、関節内靭帯によって関節腔は2つに分けられています

第1と第11・12の肋骨頭関節は1つの椎体についています(第10肋骨も1つの椎体についていることがある)

変形した鞍関節とされており、肋横突関節と同様に自由度は1度とされていますが、上・下方への滑り、側屈動作も担っているので自由度2度と考えられます

つまり

肋横突関節は滑り+回旋、肋骨頭関節は滑り+側屈の動きとなります

 

近年の研究1)では肋骨頭の可動域制限により胸椎の椎体間関節が過剰に働き、側屈や回旋、伸展動作を代償することが示唆されています

1)胸椎のバイオメカニクス:J Man Manip Their.2015.23(3).128-138

胸椎のカップリングモーション

胸椎の動きにはカップリングモーションという複合的な動きが起こります

胸椎の場合

上部と中下部で若干動きが異なってきます

上部の場合は側屈に回旋動作が同時に起こり同側パターンをとってきます

中下部の場合は屈曲位の場合は同側パターンを取っていますが、伸展位では逆側パターンを取っています

 

[box class="green_box" title="カップリングモーションのパターン"]

同側パターン=右側屈の場合は右回旋する 左側屈の場合は左回旋する

逆側パターン=右側屈の場合は左回旋する 左側屈の場合は右回旋する

[/box]

これは関節面の角度がこのような形状になっているので起こっているものですが、このカップリングモーションがあるために神経を圧迫せずに済んでいると言われています

 

このパターンについてはいろいろ諸説あるので、確定論が出るまでに時間がかかるかもしれません

 

また、このカップリングモーションは胸椎だけではなく頚椎や腰椎でも同じように起こっています

 

まとめ

 

ランドマークが存在しており、アライメントの評価が取れる

肋骨と協働し呼吸運動や大切な内臓の保護を行っている

胸椎は可動性は他の脊椎に比べ高くないが、モビリティの部位であり、力の伝達・方向性の決定などその重要性は極めて高い

上半身の質量中心がTh7〜9付近に存在している

カップリングモーションという特別な動きをしており、上部胸椎は同側性、中部・下部は逆側性のモーションを取る

中部・下部は屈曲と伸展でカップリングモーションが変わる

カップリングモーションがあるおかげで神経絞扼が起こらずに運動が行えている

 

 

今日も最後までご覧いただきありがとうございました